● 立ち読みコーナー ●

内ゲバにみる警備公安警察の犯罪 より

…この仕事に携わった理由は、大体三つくらいある。一つはまず公安である。…いわゆる「内ゲバ時代」にみられる悪逆無道の謀略公安に関わるものであるかぎり、私も一個の反逆者として、進んで公安を糾明し糾弾する要を胸に感じたのである。二つ目には黒田さんという兄貴分への友情である。…三つ目は、革マル派という団体の調査班の調査能力である。…事件が起こるたびごとに実に迅速丹念に調べ、直接証拠でなくとも、状況証拠から推論や暗示を下していること、これが実に納得がゆくのである。…
                  「私の立場を説明する―まえがきに代えて―」より

 ● 犯人は現職警察官だった! 福永事件
             
76年12月5日、山口県防府市のあるアパートで、すでに革マル派とは無関係である一市民の福永哲郎氏が何者かに襲撃された。その日の朝、福永氏が引っ越しをするためにアパートの自室に入ろうとしたところ、その部屋に事前に潜んでいた三人の男に襲撃された。氏と引っ越しの手伝いにきていた弟の和夫さんは必死に抵抗。このとき襲撃者の顔を隠していたマフラーがずり落ち氏と和夫さんは襲撃者の顔をしっかりと目撃した。ところが事件から二時間後「現場検証」と称して現れた警察官のうちの一人が、なんとこの男と生き写しだった! その後の調査によってこの現職警察官・吉野明自筆の襲撃準備メモが見つかるなど、事件の謀略性が次々と明らかになった。福永氏は吉野らを特別公務員暴行陵虐致傷罪で告訴した。
            <上>p429〜「ついに謀略の直接証拠がつかめた」より

←山口県警防府署警察官・吉野明(26歳・当時)
中核派を装い一市民を襲撃。反撃され正体を暴かれる
●国会でも追及!
79年12月8日午前4時30分頃、金沢市のアパートで金沢大学生協従業員組合書記長の浅田順三氏が就寝中に襲撃されて虐殺された。中核派が「犯行声明」を出したが、「革マル次席幹部せん滅」など中核派は絶対に使わない警察用語を使うなど、謀略であることは明らかであった。80年3月4日、衆議院予算委員会・第一分科会において、社会党の阿部助哉代議士がこの事件をとりあげた。阿部代議士は@事件がおこる前から警察は「内ゲバが起こる」ことを知っていた。A襲撃現場最寄りの駐在所は新任警察官が赴任した直後に警察学校入校を命じられて不在となり、この交番の目の前で襲撃グループによって電話線が切断されている、など事件の謀略性を暴露。国家公安委員長(後藤田正晴)と警察庁警備局長(鈴木貞敏)を厳しく追及した。
                <下>p284「阿部助哉が国会で後藤田を追及」より
黒田寛一氏(元革マル派議長)特別インタビュー

T(玉川) 警察が関与していることが明らかな事件が、いろいろある。にもかかわらず、それらの人物をどうして次々に告発して、法廷に持ちこむことができなかったのでしょうか? その点が、私にはとても不思議でならんのです。
K(黒田) あんた! それでもアナーキストなのか! 反権力の意志はなくなったのか?
T あるよ! おれは今でもリバータリアンなのだ! であればこそ、やつらの犯罪を歴史にとどめておこうとしているのです! おれは権力を憎んでいる。反権力・反国家なのだ!
K 君は知らないだろうが、一九八〇年代末葉に、日本ジャーナリスト専門学校での君の講義を「チヨダ」に属すると思われるキャリア組の警察官が聴講したり、君の電話が盗聴されたりしていたのだよ。この「チヨダ」は、火炎ビン闘争時代に日共対策としてつくられた「サクラ」を亀井静香が編成がえした秘密警察組織なのだ…。
T それ、本当ですか。なんちゅうか、…
                               <下>p483特別付録 黒田寛一氏インタビューより


● 立ち読みコーナー ●
アフガン空爆の意味
 より

嗚呼! 濛々たる黒煙につつまれ、紅蓮の炎を吹きて、轟き崩れ落ちたり――ニューヨーク世界貿易センターなるツィンタワービル(世界経済の金融中枢)、はたまたペンタゴン(アメリカの世界支配の軍事的要)が。夢ならず、疑似現実にもあらず。これ、うつつなる。げにもそは芸術なる!。
 事は、二千一年九月十一日に惹起せられたりき。そは、かのムスリム戦士によるジハード自爆によりてひきおこされし画歴史的なる出来事にあらずや。アメリカその他の諸国の人々、悲嘆に沈み恐怖と憤激につつまれたりき。されど、厳然たるこの事実は直視せずんばあるべからず。予想だにし得ざりしこの出来事は、アラブ世界に於けるイスラム人民のアメリカ帝国主義に対する積年の怨嗟の爆発たるの意義を持つものなり。
      p27「ヤンキーダムの終焉の端初  1 猛き攻撃 」より

 われわれは、すべてのアメリカ労働者・人民に訴える――自国政府と自国軍隊がおかしてきた「人道に反する」累々たる犯罪の現在と過去に、痛苦の念を持って思いを馳せよ!
 諸君の祖国が謳歌してきた虚構の「平和と繁栄」にむかって、「われ汝とともに滅びん」の精神で体当たりし自爆しはてた十数名の青年がいたということの衝撃的な意味を、今こそ深く深く考えよ!
     p20「アフガン侵略弾劾  アメリカ人民に訴える 」より

 九月十一日のかのジハード自爆攻撃を敢行したムスリム戦士たちは、何につきうごかされ何に駆りたてられていたのか、彼らの確信と信念はどこにあったのか、そして彼らの闘いをみちびいた“革命理論”はどのようなものであったのか。――
    p48「スンナ武闘派の政治思想  1 何が問題か 」より

 「テロ」についての驚くべき思考停止をさらけだしたわが国の知識人たち。彼らの思考停止は、この「テロ」から守ろうとしているものの内実をすこしも省察しようとしないことと深く結びついている。それは、「野蛮なテロから文明世界を守るための戦争」というブッシュの号令に各国権力者どもが追随し、イスラム諸国以外の全世界のマスコミが「文明の防衛」をがなりたてていることのゆえである。この洪水のような宣伝の虚偽性に気づきもしないのは、いったいなぜなのであろうか。
  …
 なぜ〔9・11自爆攻撃の〕犠牲になったのかについて虚偽の説明をすることほど、死者を冒涜することはない。真実を言うことは死者にたいする最低の倫理ではないか。このようなことさえもが分かっていないにもかかわらず、「人間的倫理」を偉そうに語る〔吉本〕隆明は、まさに裸の王様というべきなのである。
   p164〜166「『暗殺の美学』を熟考せよ  U錯誤はなぜ跋扈するか  1 俗人的生活防衛感覚 」より

 さきそむるケシの一莖折り摘みて死せる民への手向けとやせむ
    p200「アフガンの民よ――西行に依りて 」より

 

● 立ち読みコーナー ●

崩落と爆撃 より

黒煙と紅蓮の炎につつまれしツィンタワー、おお! 終わりのシンボル
テロはテロでもヘッジファンドの金融テロル、ジハード自爆に告発されき
仇とる歴史背負ひていのち散るムスリムの魂 塔にきざめり
ジハードを憎むはあはれ ムスリムの決意も固し心こそ思へ
ブッシュ/ブレア寝ても覚めてもおびゆるは 姿の見えぬムスリム戦士
「同時多発テロ」をば「戦争行為」と断罪し おのが罪業棚に上げ
いのち奪ひ異文化こはす空爆は「テロ根絶の文明」なるか
夜もすがら硝煙弾雨明けやらで怨嗟の涙涸れ果てじけれ
讃へたるアフガン復興嘲笑ふ 部族間抗争いや増しにけり
冴えかへる月ながむれどしかすがにゲリラ戦つづくこそ悲しけれ
死にそこねをもはや悔ゆまじ 拷問に耐えウンマ見るらも (グァンタナモの虜の歌)
夥しき骸の端にて遊ぶ子ら、何の因果か知る由もなし
人の死をつねとし見つつ生く子らよ、コーンポピーのごとく強く生きよ
無脳の子〔イラクにて〕生まれしを劣化ウラン弾使用問わぬこそ野蛮なりけり
エシュロンに読めぬ心の篝火を高く掲げむ国境越えて
米帝の二重基準をはねかへせ! inter‐nationalに団結せよ!
闇の世に闘魂なくばあらざらむ すさぶ吹雪のはての暁
                                      収録約900首より抜粋


● 立ち読みコーナー ●

21世紀の教育と日本的経営  より

〜まさに、ヒトラーのナチスがユダヤ人虐殺を正当化し理論的に基礎づけるために活用したところのものが、「優生学」であった。優れた血統をもつドイツ民族の純潔性を守るために、劣悪な血統をもつユダヤ人を「断種」においこむのだ、というように。このようなかたちでファシスト的「国民統合」のために活用されてきた「優生学」を、――ヒトゲノムを読みとるという今日の生命科学によって科学性の粉飾をこれにほどこしたうえで――、またぞろ持ちだしているのが、「教育改革国民会議」座長の江崎玲於奈なのである。
  「ある種の能力の備わっていない者が、いくらやってもねえ。いずれは就学時に遺伝子検査を行い、それぞれの  子供の遺伝子情報に見合った教育をしていく形になっていきますよ」(斉藤貴男『機会不均等』文芸春秋刊、12  頁より)
                     p20、「教育改革国民会議」最終報告について、“天才遺伝子”保持願望より

〜それでやな、彼らが実現すべきものとしている教育それ自身についてまず検討していこう、ということや。…どんなことを書いてあるんや。…「どのような教育を確立すべきか、ということについては次のように歌われてまんな。『個性尊重、人間性重視の教育、』〜」…<個性>とか<個>とをえらく強調しているな。…「選ばれるのではなくみずからが選ぶんだ、とうのも一つのシンボルでんな。…」…<連帯>ちゅうのは社民のイデオロギーやな。…
p104、「<参加・提言・改革>路線の特質  二<五無人間>を克服する教育? 「ビジョン委員会」の教育観」より

〜「で、『行動心理学』の破綻のあとに1950年代から60年代にかけてのアメリカで誕生したのが『認知心理学』やそうですわ。…『新学力観』を文部官僚が理論的に基礎づけようとするばあいにも、また日教組に所属する先生がこれにケチをつけようとするばあいにも、もちだしているのがこの『認知心理学』でんな。〜〜“人間をコンピュータのようなものだとみなす心理学”である、と自称してるんやそうですから。やっぱりアメリカ型の発想でんなあ。…」…<人間機械論>の今日版やな。…
           p112、「<参加・提言・改革>路線の特質  行動心理学・認知心理学・ピアジェの理論」より

 だがそもそも、1980年代をつうじて、新保守主義=新自由主義を標榜するサッチャー政権による社会保障制度の大改悪や強権的な弾圧=労組破壊政策にたいしてイギリス労働運動は屈服に屈服をかさねてきたのにもかかわらず、この敗北と屈従を隠蔽し自己正当化するためにもちだされたイデオロギーこそが、ブレアの労働党の「第三の道」なるものであり、「セーフティーネット」論であり、「ステークホルダー・アプローチ」なるものなのである。あるいは、サッチャー政権への敗北と屈服と屈従にもとづくイギリス労働運動のブルジョア的変質をむしろ踏み台として権力の座についたブレアが、みずからの政権の長期維持をはかる思惑からイギリスの労働者・勤労大衆によりいっそうの武装解除と無抵抗と苦悩を強要するために弄したイデオロギー、これが先の論だといってよい、にもかからわず、まさにこのような反労働者的なイデオロギーを公然と輸入して悦にいっているのが、「連合」指導部とそのブレーンどもなのである。
                       p246「コーポレート・ガバナンス論 ブレア式「第三の道」論の直輸入」より
   


● 立ち読みコーナー ●

マルクス ルネッサンス より  

 ソ連圏崩壊(1989〜91年)以降、共産主義の威信、既に失墜す。これに伴ひマルクス思想の影響も世界的規模におきて消滅せるものの如し。
 まこと、NATOのユーゴスラビア空爆に反対せる知識人,甚だ僅かなり。その理由、まづはEUの社会民主主義政権の、アメリカ帝国主義国家権力への協力に求むるを得。そも、ユーロソーシャリズムとスターリニズムの両者は、労働者及び勤労人民への影響力を失ひたり。空爆に反対せしは非マルクス主義者のみなり。例へば、言語学者たるノーム・チョムスキー、大統領ミッテランを補佐せし『革命中の革命』の著者たるR・ドブレ等々。左翼知識人なるものは、最早存在せぬかに見ゆ。
 社会学者のユルゲン・ハーバーマスたる、破廉恥にもNATO軍のユーゴ空爆に対する支持を表明せり。「人権侵害」を金科玉条とせし観点より。ミロシェビッチ弾劾てふ口実を持出して。フランクフルト学派の第二世代たるこの学者、彼の師たるG・ルカーチを貶めたりと言わざるべからず。斯くて、西欧マルクス主義の伝統を継承し来れるフランクフルト学派は消滅せりと言ふべし。
            p10「マルクス主義のルネッサンス・Uマルクス主義の現今に於ける危機」より

 概して、危機の時代は批判を生み出し、批判は歴史的現実の変革に転化せらる。然るに、これ、容易ならざる事なり。かかる変革を推進せむがために、われらは己が於てある現実的場所の認識を出発点とせずんばあらず。しかのみならず、われらが実践によりて生み出されし過去的場所の歴史的反省をも、出発点たらしむるを要す。われらは常に場所に於いて対象の下向的分析を、論理的かつ歴史的に為さねばならぬがゆゑなり。これ、革命的マルクス主義の実践的=場所的立場に立脚するところの、われらの認識論の基礎なり。
              p37「マルクス主義のルネッサンス・X マルクス主義の展望」より

 21世紀の曙を迎へたる世界は、真輝くに非ずして、戦雲たちこめたり。単に情報技術革命のみ謳歌されつつあり。電子貨幣が電脳空間を漂ふ――貧困、階級分裂はたまた戦争の深刻さにも拘らず。さなきだに、ブルジョア的市民は、電脳網の奴隷たる電脳網人(netizen)に変り果てたり。資本制経済の物神は従来、商品・貨幣・資本なりしが、今や電子情報物神、これに加へられたり。欲望の随意(まにま)に行動し、効率性と合理性に至上の価値を見出し、且つまた利益のみを追ひ求め来りし現代人、まさしく電脳的疎外に陥りたり。
              p42「マルクス主義のルネッサンス・X マルクス主義の展望 3マルクス主義の復興」より